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今に残る歌碑【第4回】浜松市中央区・縣居神社

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もろこしの

人に見せばや みよしのの

よし野の山の 花のさかりを 

          賀茂真淵  

  賀茂真淵自筆「桜の詞」より

【歌意】もろこし(むかしの中国)の人々にも見せてやりたいなあ 吉野の山に爛漫と咲き誇る桜の美しさを

吉野のさくら

60歳台の真淵は、国学者・歌人として輝く充実期。宝暦7年3月( 61歳)国学に思いを籠めた「桜の詞」を書きこの歌を添えました。 下って、宝暦13年(1763)真淵67歳の2月、万葉の故地大和地方を旅した際は、「よし野山の花をみてよめる」という長歌の反歌としてこの歌の結句を山さくら花と変えています。もろこしの人に見せたいは、桜に象徴される日本の国柄の美しさであっただろうとされています。

歌碑の建立

平成9年、真淵生誕300年、市制85年記念として篤志の人達の寄金により建立されました。これより13年前縣居神社は戦後の復興が叶いました。縣居神社の桜は、爛漫そのものでした。当時、真淵認識は限られた人たちだけの真淵でした。この歌碑の建立には、賀茂真淵の学績・学徳そして縣居神社の四季折々の風致を伝えんとする寓意があったのではないでしょうか。

2024/09/25 今に残る近郊歌碑   bestscore