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2024年08月

今に残る歌碑【第3回】浜松市中央区・縣居神社

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大御田の みなわも ひぢもかきたれて

とるや早苗は わが君のため

「大御田」は広々とした田に敬意をこめて、「みなわ」は水泡。「ひぢ」は泥。「わが君」は天皇・徳川将軍・お百姓・愛しい人など諸説あります。

【歌意】

一面に広がる田んぼで、人々が泥だらけになっていっしょうけんめいに早苗をとっている。大切な人(家族)のために

この歌は、延享4年 真淵51歳の歌。“屏風に雨降るに人多く早苗とる所”の詞書があります。屏風(びょうぶ)の絵に賛をした題詠とされています。
「真淵の脳裏には、故郷浜松で自らも田植えにいそしんだ田んぼの姿があったろう。真淵の働く人、農事への愛着が感じられる」と評されています。

【歌碑の建立】

昭和17年11月「愛国百人一首」が選定され、翌18年12月5日に建立されました。歌人・国文学者・書家で著名な尾上柴舟(さいしゅう)の揮毫で、碑の裏には、戦闘機の機銃弾痕があります。
愛国百人一首は柿本人麻呂から幕末までの作品で、国土愛・夫婦愛を詠ったものもあります。

【縣居神社】

住所:〒432-8036 静岡県浜松市中央区東伊場1丁目22−1

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2024/08/09 今に残る近郊歌碑   bestscore